「最低だ・・・」
そういいながら部屋にワイシャツの男が入ってきた。
ここは飲食店のスタッフルーム・・・いわば休憩室だ。
その男がすでに仕事をあがった革ジャンの男に声をかける。
「なあ、最低なんだよ。」
誰かに愚痴を言いたくてしょうがない様子だ。
革ジャンの男がこたえる。
「でもオレ最高。」
愚痴りたいワイシャツの男はさらに続ける。
「いやだからさ、最低なんだって。」
「いやでも、オレは最高なんだって。」
間髪入れず、革ジャンの男が返す。
「いや、きいてくれよ。実はさ・・・。」
とワイシャツの男が語り始めた。
「いや、それでも、オレ最高だから。」
かぶせるように革ジャンの男が返す。
ワイシャツの男は愁眉を開いていう。
「・・・本当だよ。お前最高だよ。」
「だろ?オレ、最高なんだよ。」